Parrish "It's Like Bluegrass" Recording 顛末
- Parrish 1st Album released on Sep.11th, 1999
for 10 year Anniversary -
1. BlueRidge Cabin Home
2.BlueRidge Mountain Morning
(by Lowell Appling)
3. Take Me In A Lifeboat
4. I'm Waiting To Hear You Call Me Darlin'
5. Cold And Windy Night
6. Kobe HONKY TONK (Secret track) |
それはホンキーのマスターの一言から始まった・・・。
99年始めのホンキーでの演奏が終了し、リラックスしてお客さんと雑談をしていた。
「今年でParrishも10周年やなあ」
「もう10年もやってるんだ。ホントよう続いてるなあ」
「なんか記念にイベントやりたいなあ・・・」
なんて話しをしてたと思う。そこに最近めっきり酔いやすくなったホンキーのマスターが一言。
「記念のライブやるんだったら、企画せいや。ここ使こうたらええし」
なんと願ったり叶ったりのありがたい一言!さすがはマスター。
しかしさらに次の一言が。
「まあ、せっかくやるんだったらゲームやって景品出すとか。あと、テープも録音して配れや。4,5曲でええし」
・・・てな訳で、Parrish結成10年にして初の公式音源を製作することが決まったのです。
Parrishは、たまにライブ演奏を録音したことはあっても、(一応)公式に人様に聴いていただく目的では録音したことがなかった。大変だろうけど、いい機会だからきちんと録音して音を残すのもいいかな、と思ったが、何せレコーディングなんて初めての試みでどうしてよいかわからない。何が必要で費用はどのくらいかかってどうやって音を録って????
いろいろ考えたり情報収集した結果、
・録音は、ジローが購入するハードディスク・レコーダー(以降 HDR)を使う。
(このレコーディングが決まったのを機会に購入したのかもしれません)
・月1回、レコーディング日を決めてスタジオを借りる。
・テープじゃなくて、稲船のPCについてるCD-Rを使って音楽CDで配布する。
(これはレコーディングが決まる前に購入済み。テープはダビングがじゃまくさいし音悪いし時間掛かるし)
ということになり、4月から月1回のペースでレコーディングをした。
<レコーディングの模様>
日付 |
場所 |
コメント |
3/27 |
大津)島村楽器 スタジオ
(3hours) |
と りあえず一発目のまずは軽く練習。Parrish史上初、楽器屋さんのスタジオを借りての練習では?まずラジカセの内蔵マイクで簡単に録音しようとしたんだが、せんのラジカセにマイクがついていないことがスタジオ入りしてから判明(爆)。結局スタジオ備え付けの機材を使用した。 |
4/24 |
大津)スタジオ 161
(4hours) |
レコーディング用のスタジオを探していたせんが、自分の家の近くで見つけたスタジオ。これからここがレコーディングのアジト(?)となった。ちょっと古いが利用者が少なく、っていうかほとんどいなくて快適でした。まだ、レコーディングをどのように進めようか探りながらの練習といった感じ。初めてジローが"魔法の機械"HDRを持ち込む。 |
5/22 |
稲沢) STUDIO Thirty Six
(4hours) |
中日宅近所のスタジオ。ライブハウスに併設しており室内は妙に暗く、照明もピンスポとちょっと変なスタジオだったが機材は充実していたかも。
せん自作のヘッドホン分配器”Poland”初登場。
"Blueridge Cabin Home" 1曲のみをひたすら録音していた。 |
6/26 |
大津)スタジオ 161
(8hours) |
楽器用のコンデンサマイクを5本購入し臨む。
この日は各曲のバッキングを録音。但し、バンジョーはソロとバッキングを一気に録った。流れ的にソロとバッキングを一緒にしたほうが良いとの判断(中日さん頑張る)。
尚、CDに採用された演奏はこの日以降のテイク。 |
7/31 |
大津)スタジオ 161
(8hours) |
最初はイナフネとジローでマンドリンのソロ・パートのレコーディング作業。後から仕事を終えて駆けつけたせんと中日さんが合流して歌・コーラスのパートを録音。8時間もスタジオ押さえてたのに最後は時間がなくなり、ちょっと端折ってしまった。
しかし、ジローのドブロを除きレコーディングはほぼ完了した。 |
?? |
ジロー邸
(?hours) |
ジローは今回、スタジオ内ではHDRの操作をしながらプロデューサ兼エンジニアの役目に徹しておりました。しかし彼はHDRのオーナーなので自分の家で録音ができます。自分のドブロのパートを録音したり、各パートにエフェクトかけたりしていたと思われますが、録音中近所の犬の鳴声とか、おかんの声とかが邪魔したりと大変だったようです。 |
7〜8月 |
せんの部屋
(?hours) |
ジャケットとレーベルの作成はせんが担当。彼、こういうことさせると実は一番マメなんです。試行錯誤を繰り返し、メンバーに何度か見せて修正を繰り返し完成させる。
8/12・13で印刷。カラー印刷だし枚数多いしかなり時間かかったみたいだが、途中ハルマゲドンが急に降ってきて本当に大変だったようです(謎) |
8/14 |
西宮) Bird・Land
(3hours) |
前回やや時間がなく、ボーカルパートにやや不満のあったせんとイナフネが追加レコーディングを急遽発案。スタジオ入りする直前、ジローから「息のノイズが気になるのでプロが歌の録音で使ってる金魚すくいの網みたいなやつ(正式名称不明)用意してくれ」と言われ、困ったせん・中日・イナフネはコンビニで虫取り網とストッキングを購入する(虫取り網の網を外し、ストッキング被せてマイクの前に立てるんです)。虫取り網を持ってスタジオ入りするのはかなり恥ずかしい(実物はこれ)。
ボーカルと、ジローが自宅で出来なかった分のドブロを録音。1曲ばばがコーラスで入る曲があったが、普段歌い慣れていない彼のパートは結局完成できず、イナフネの部屋へ持ち越し。その後、ホンキーへ向かい8月のライブをこなす。 |
8/15 |
イナフネの部屋
(4+7.5hours) |
ホンキーのライブの後、名古屋までドライブ。結局3:00くらいに到着し、みんな徹夜でヘロヘロだったけど、すぐさまばばのコーラスを録音。深夜、ハンドマイクであぐらをかいて歌うもうまくいかず何度も録り直すばばの後姿に哀愁が漂う。でもその様子があまりにもおかしく、HDR操作してるジロー以外の3人は笑いをこらえるのに必死(すまん、ばば)
やっとこさばばの歌も出来上がり、一気にHDRからPCに音を取り込みWAVデータをこしらえて、エフェクトかけてCDを焼いてみる。おぉ、ついに完成したぞ!この時朝7:00過ぎ。
睡眠をとった後、ジャケット裁断する人(中日)、レーベル貼る人(せん)、PC操作してCD焼く人(稲船)、ジャケット折り曲げる人(ばば)、ジャケットをセットしてCDケース組み立てる人(ジロー)、と完全分業制の家内制手工業で一枚一枚、手作りのCDを完成させる。 |
<主な使用機材>
名称 |
説明 |
ハードディスク
・レコーダー
(Roland VS-880
with HDD Unit
+Effect ExpansionBoard) |
ジローが個人出費で購入した。これがなければ今回のCDは作れなかったといっても過言ではない。
4チャンネルLine/MIC入力、DigitalOut可。ダビングしても音の劣化はないし、トラックを保存できるので「やっぱりさっきの方がいい」なんて場合にもすぐ戻せるのでとても便利そう。
ああ、今や民生機レベルでお手軽にDigital録音が出るのね!
でも操作は複雑そうでジローしかできません。きっと。 |
ヘッドホン分配器
(名称:Poland) |
謎の生命体ではありません。ジローのHDR(↑)はヘッドホン端子が1個しかなく、録音しているメンバーが同時にモニタリング出来ない為、せんが自作した。うーん、さすがは電器屋さん。
4本同時出力可能。しかし直列(!)なので、繋ぐヘッドホンが増えるほど音量は低下するし、どこか断線すると全員が音聴こえないなどちょっとおちゃめな仕様。しかし、製作者がさくさくと修理してしまうのでノー・プロブレムなのよ。 |
コンデンサマイク
(SONY ECM261) |
やっぱり楽器録るならコンデンサマイク。スタジオ毎にマイクが違うと音もかなり違うというのでバンドで購入。普通コンデンサマイクは非常に高価であるが(安くても3万円くらい〜)、これは破格の約8千円!せんがSONYの販売店用カタログから見つけた。あまりの安さにちょっと心配で、試しに1個買ってジローに使ってもらったら「いけそうだ」とのことで追加で4個購入した。 |
プロが歌の録音で使っている「金魚すくいの網みたいやつ」の代わり
(正式名称知らん)
↑
『ポップガード』というらしい。
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怪しい異星人ではありません。
8/14 最終レコーディングのスタジオ入りする直前に、ジローからリクエストがあり慌てて考えてこしらえました。材料はコンビニで買った「虫取り網」と「パンスト」、製作費は2本で1600円くらいだったと思います。使用後は、ばばに預けてあったのですがパンストが無くなってたそうですので、今ごろ誰か履いているのかも知れません(謎)
しかし、これって少しでも効果あっったんでしょうか?今度教えてください>ジロー |
PC
(GatewayGX-450 with SoundBlaster Live Pro
+Ricoh MP7040A) |
稲船のメインマシンの牛です。このHPも当然これで製作。RicohのCD-RWは購入済みだったが、このレコーディングをきっかけにDigital同軸入力端子のついたSoundBlaster Live Pro を購入。
使用ソフトはSoundBlasterに付属の「Creative Recorder」(録音)・「SoundForgeXP」(波形編集、エフェクト)、CD-RWに付属の「Adaptec Easy CD Creator Deluxe」(CDライティング)。
CD-Rは書き込み4倍速だが、数十枚焼くのはさすがに疲れる。この時ばかりは8倍速のが欲しいと思った・・・。 |
<レコーディングを終えて>
皆普段は堅気の社会人をこなす身であり、且つ名古屋、大阪、大津と住んでるところもバラバラな私たちにとって月一回のライブに加え、さらにもう一回レコーディングの日を捻出するのは、非常に大変なことなのです。
そのような状況で今回、レコーディングをやり遂げ、10周年という区切りをCDという「形」に残せたことは、私たちParrishにとって非常に意義のあることに思えます。
また、PCやHDR等デジタル機器の発達によりCDが民生レベルで製作可能となっていた状況と、私たちの結成10周年が見事に重なっていたことも見逃せないポイントでした。
しかし今回最もよかったことは、CDレコーディングと10周年記念パーティーを実行するのに全員が貢献したことだったと思います。みんな本当に頑張ったなあと思います。
とにかく初めての試みでいろいろ大変でしたが、実際CDという形になったときのあの感動は一生忘れないでしょう。
次回はいつレコーディングするかわかりませんが、そのときは更に内容充実でいきたいです。
内容的には、時間が足りずやり残した部分もありますので。
(1999年記 by イナフネ)
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